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日本、いにしえ
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京野菜

京野菜には、きちんとした定義はありません。
幅広く言えば、京都で栽培される野菜はすべて京野菜と言えます。
しかし、京都には昔から維持されてきたさまざまな野菜がたくさんあります。
その中で特に、京の伝統野菜とブランド京野菜と認定されているものがあり、これらを総計すると40品目以上にもなります。

京野菜の歴史

京野菜の伝統

千百年もの間、政治・文化の中心地であった京都には、各地から多くの特産物や情報が盛んにもちこまれ、また、貴族・社寺がそれらを好んで求めました。
一方で、京の地は周囲を山に囲まれた盆地であるため、海産物の入手は困難でした。
そのため、美味しい野菜を栽培するための品種改良や栽培技術の改善に力が注がれ、数多くの優れた野菜が受け継がれてきました。
また、神社仏閣が多い京都では、精進料理が発達しました。
精進料理には野菜の美味しさが不可欠なため、野菜の品質はもちろん、野菜の料理の方法にも様々な工夫が凝らされました。
京都には「すぐき」のように何百年も変わらぬ土地で作り続けられているものもあるほど、古いものを守り伝えていこうという気質があります。
こうした土地で発達していったものが1960年に「京の伝統野菜」として京都府から認定されたのです。

京野菜絶滅の危機

しかし、この伝統野菜も絶滅の危機に瀕したことがあります。
1970年代後半頃に流通が途切れるくらいに人気が凋落したのです。
核家族化が進んで大ぶりの野菜が好まれなくなり、調理のしやすい外国産の野菜がもてはやされたためです。
こうして、かぼちゃは味付けに手間がかかるからと敬遠されるようになり、たけのこは中国産の水煮たけのこに、加茂なすは長野の米なすに、金時にんじんも洋にんじんに取って代わられました。
京野菜は一時期、絶滅してしまうのではないか、とも言われたのでした。

絶滅の危機を救った品種改良

こうした危機を切りぬけるために立ち上がったのは生産者たちでした。
たしかに料理店では京野菜が使い続けられていましたが、その消費量は全体量から見ればわずかなものでした。
そこで、一般家庭での消費を促すために、生産物を改良することにしたのです。
それは京野菜自体の質を変化させない方法で行われました。
例えば、1個の大きさが3〜4kgだった聖護院かぶらを、間隔を詰めて種を植え付け、密植することで、1.5kgに小型化させたり、水菜のひと束を小さくするなどの工夫をしたのです。
その他、料理教室を開いたり、新しい「京野菜」料理のレシピを提案して調理方法をPRするなどして、現在の「京野菜」人気へと繋げていったのです。

京野菜ブーム

こうした中、京都府内の行政、農業団体、流通業団体が一丸となって、京都の農林水産物の中でも品質や量的に優れた産品を市場や消費者にアピールするためにブランド認証事業を行うようになりました。
この試みは1989年から始まり、スタート時に賀茂なす、万願寺とうがらし、堀川ごぼう、枝豆用黒大豆、紫ずきんなど19品目を認証しました。
首都圏や大阪圏などに売り込み、売上を順調に伸ばし、認定品目も徐々に増えて現在では21種類が登録されています。
積極的に首都圏などへ出荷するおかげで、「京野菜」の認知にもひときわ大きく貢献しました。
今では京野菜の人気は首都圏が支えているといっても過言ではありません。

 

京の伝統野菜の特徴と種類

「京の伝統野菜」の定義
「京野菜」は、昭和35年に京都府の「伝統野菜の品種保存」の検討対象になり、21品目、105種が選定されました。
昭和62年には「京の伝統野菜」の定義が、次のように定められました。

1.明治以前に導入された、歴史を有する。
2.京都市域のみならず、府内全域を対象とする。
3.たけのこを含む。
4.キノコ類、シダ類(ぜんまい、わらび他)を除く。
5.栽培、または保存されているもの、および絶滅した品目を含む。

以上、5つの条件を満たすものが、京の伝統野菜とされています。

なお、たけのこは、イネ科タケ亜種に属する植物で、野菜ではありませんが京の伝統野菜に含まれました。
京都府農林水産部発行の「京の伝統野菜」には、現存する伝統野菜として、だいこん、かぶ、つけ菜、なす、かぼちゃ、とうがらし、うり、さといも、ごぼう、ささげ、うど、みょうが、ねぎ、せり、くわい、たけのこ、じゅんさい、の17品目が挙げられています。
この品目を細かく分けると、京都の伝統野菜は全部で約40種類存在します。
中でも、一番種類が多いのがだいこんです。
現存するものだけでも、辛味だいこん、青味だいこん、時無だいこん、桃山だいこん、茎だいこん、佐波賀だいこん、聖護院だいこんの7種類があります。
また、万願寺唐辛子も野菜として有名ではありますが、これは大正末期から昭和初期に、 舞鶴市の万願寺で作られたものです。
そのため、「京の伝統野菜」の定義1に該当しないので、「伝統野菜に準ずる野菜」とされています。

だいこん

辛味だいこん

京都市北区鷹峯の原産。
元禄(1688〜1704年)の頃から栽培されていたと言われています。
形はコカブに似ており、根部に強い辛味があります。
主にそばの薬味などに使われます。

青味だいこん

葛野郡朱雀村(現下京区朱雀)の原産。
絶滅した郡大根の変異種とされています。
古来より祝儀用として使用されてきました。
9月に種を播き、年末に収穫します。

時無(藤七)だいこん

文政(1818〜29年)の始め頃、東九条村(現南区東九条)の小山藤七が、極晩生の大根を藤七大根と名付けたのが始まりといわれています。
現在は改良されて、「花不知早太り時無し大根」として広まっています。

桃山(大亀谷)だいこん

起源は定かではありませんが、滋賀県伊吹山大根を大亀谷に移して栽培されたと言われています。
肉質が緻密で、漬物用として作られていました。
現在は需要が激減したため、種子保存用のみ栽培されています。

佐波賀だいこん

嘉永(1848〜53年)の後期には栽培されていたことが確認されています。
極晩生の春大根です。
根部は薄緑と白の2系統があります。
舞鶴市を中心に栽培されていましたが、現在はわずかしか作られていません。

茎(中堂寺)だいこん

下京区中堂寺あたりで栽培されていました。
漬け物として、茎葉と一緒に漬け込みます。
根長30cm位の尻つまり型です。
現在は松ヶ崎、鷹峯あたりでわずかだけ栽培されています。

聖護院だいこん

170年ほど前に、尾張の国から奉納された長大根が起源です。
京都の篤農家が聖護院の辺りで栽培するうちに、丸い大根になりました。
苦みがなく、ほんのり甘味があります。
長時間炊いても煮崩れしなため、煮物用として広がりました。
8〜9月に種を播き、年末に収穫します。

かぶ

松ヶ崎浮菜(八頭)かぶ

来歴は定かではありませんが、奈良時代に僧が中国から持ち帰ったと云われています。
秋まきで晩秋〜冬に収穫します。
煮物用や漬物用に使われていましたが、現在は種子保存用のみ栽培されています。

佐波賀(天神)かぶ

来歴は不明ですが、古来、舞鶴周辺で栽培されていました。
晩生の越年カブです。
現在は激減し、種子保存用のみ栽培されています。

鶯菜

江戸中期に、現中京区神泉苑町の農家が天王寺カブラから選抜淘汰したとされています。
早生のコカブに属します。
播種後40〜50日で根部が親指大になった時に収穫します。
現在は高級料理店が使用する程度しか作られていません。

大内かぶ

美山町に伝わるカブで、500年以上の栽培暦があります。
糖度の高いカブで、主に煮物用に使われます。
現在はわずかしか栽培されていません。
秋に種を蒔き、冬に収穫します。

すぐき菜

上賀茂に伝わる特産野菜です。
「すぐき」という呼び名の漬物として伝えられてきました。
300年の歴史をもっており、古くは上流社会の贈答用でした。
今は主に漬物用に栽培されています。
9月に種を播き、11月に収穫します。

舞鶴かぶ

舞鶴市喜多原産とされていますが詳細は不詳です。
種苗商の荒川種苗がこれを舞鶴かぶと名付けました。
かぶの地上部と葉は赤紫色をしています。
肉質はやや堅く、主に煮物用に使われます。
現在はわずかしか栽培されていません。 秋に種を蒔き、晩秋に収穫します。

聖護院かぶ

愛宕郡聖護院の農家が、享保年間(1716〜35年)に近江堅田から持ち帰った種子を改良したものです。
千枚漬けの原料として知られるようになってから栽培が増加しました。
晩生種のカブです。
我が国のかぶでは最大級で、大きい物は5kgにもなります。
9月に種を播き、11月に収穫します。

つけ菜

みず菜

京都のみず菜は、千筋京みず菜ともいわれ、葉柄が繊細で細く白いことで知られています。
元は、一株で4kgを超える大きなものが主流でしたが、最近では、現代生活に合わせて小株のうちに早取りするようになりました。
肉類の臭みを消す作用があるため、鍋物によく使われます。
軟らかく、かつシャキシャキとした歯ざわりがあり、サラダ感覚でも味わえます。
9月に種を播き、11〜3月に収穫します

壬生菜

1800年代に水菜の変異種として、壬生地方で栽培されたとされています。
葉が細長く、ヘラのような形をしています。
元は大株でしたが、最近では改良が加えられ、小株での周年出荷が多くなってきています。
煮物、和え物、サラダなどさまざまに使えます。
ほんのり辛子の香があるため、昔から漬物、特に千枚漬の添え物としても使われてきました。
ビタミンCや食物繊維が豊富です。
9月に種を播き、11〜3月に収穫します

畑菜

菜種の一種で、江戸時代からあったとされています。
煮物、和え物によく使われます。
小松菜が普及するまでは、これが主流でした。
今も京ではある程度の栽培があります。
10月に種を播き、2〜3月に収穫します。

なす

もぎなす

慶応時代(1865〜68年)に苗物産地でもあった愛宕郡聖護院で在来種から選別淘汰されたといわれています。
肉質のしまった小粒のなすで、少し苦味があります。
天ぷら、煮物、漬物によく使われます。

賀茂なす

北区賀茂が特産地とされています。
大実の晩生なすです。
ガクの下が真っ白で、ずっしりしたと重量感があります。
でんがく、煮物としてよく使われます。
収量は少ないですが、人気のある京野菜です。

山科なす

1865年ごろ山科で誕生しました。
明治時代には山科の特産品として数多く栽培されていました。
栽培が難しいことから、一時期ほとんど姿を消していましたが、近年、栽培技術が改良され、ブランド品として再デビューしました。
賀茂なすよりも小さく、 一般に流通している千両なすより首が太いのが特徴です。
皮が薄く柔らかで、煮物、漬け物としてよく使われます。

とうがらし

伏見とうがらし

とうがらしの中では最も細長い品種です。別名「ひもとう」とも呼ばれています。
古くから伏見を中心に作られてきたらしく、1684年の『雍州府誌』に 「山城の国、伏見辺りで作られたものが有名」との記載があります。
10cm位の大きめのとうがらしですが、辛味はありません。
食物繊維、カルシウム、ビタミンCなどが豊富なため、夏バテ解消野菜としても知られています。
焼き物、炒め物、煮物、天ぷらとして幅広く使われます。
葉は「きごしょう」といって、佃煮にして食べます。

田中とうがらし

栽培の起源は不詳ですが、明治の始めに愛宕郡田中村(現左京区田中)で栽培されていた記録があります。
太く、短く、濃い緑色なのが特徴です。
辛味はありません。
現在は、料亭等の需要に応えるために、山科区でこの系統のものが少しだけ栽培されています。

その他

鹿ヶ谷かぼちゃ

約300年続く、左京区鹿ヶ谷・安楽寺の「かぼちゃ供養」で有名です。
江戸時代、東北旅行の土産に持ち帰られた菊かぼちゃが、突然変異でひょうたん型になったものです。
明治時代中頃は、京都で食べられるかぼちゃの大半は鹿ヶ谷かぼちゃだったといいます。
現在では、京都府中部の綾部市が主な生産地です。

桂うり

江戸時代よりも以前から葛野郡桂(現西京区桂)で栽培されていました。
大越ウリから選抜淘汰されました。
肉厚で50〜90cmほどの大きさ育ちます。
奈良漬用として使われてきました。
栽培方法は普通の夏野菜と同じです。
現在では、ほとんど栽培は行われていません。

えびいも

安永年間(1772〜81年)に、青蓮院宮が長崎から京都へ持ち帰った里芋を、平野権太夫が栽培方法を工夫して作り出したものです。
皮に縞があり、大きなえびのような形をしているため、青蓮院宮が「えびいも」と名付けました。
肉質が緻密なため、煮込んでも形が崩れません。
棒だらと一緒に煮た「いもぼう」は、京都の代表的なおばんざいです。

堀川ごぼう

豊臣政権が崩壊して、秀吉の邸宅、聚楽第を囲んでいた堀が住民たちのゴミで埋められていくうちに、ゴミの一つとして捨てられたゴボウが巨大なゴボウに生長したものと言われています。
繊維が軟らかいため、味が芯まで沁みわたります。
ビタミンCやミネラルが豊富で、血液を浄化する作用も持っています。
栽培は、10月に種を播き、翌年の6月に一度堀出し、東南に向けて15度の傾斜で再度浅く定植し、12月に収穫します。

柊野(三尺)ささげ

柊野(北区)原産のササゲです。
栽培は約300年前から行われていました。
三尺(90cm)ほどの長さに成長します。
未熟時は主に煮物用として、熟期が進めば浸し物として使われます。
現在では営利栽培はほとんどありません。

京うど

うどは、大昔から日本各地に自生していた植物です。
京都では丹波と桃山で栽培されています。
丹波地方では、藁小屋の中で醸熱材料を使用して冬季(2〜3月)に軟白化して出荷します。
桃山では、春に盛り土で軟化させて5月に出荷します。
栽培農家は数件しかありません。

京みょうが

江戸時代に桃山江戸町の茗荷屋平兵衛という人が湧水を使って作ったのが始まりです。
かま(むろ)と湧水を利用しているため、冬季でも生産が可能です。

九条ねぎ

京都でのネギ栽培の歴史はきわめて古く、約1300年前の和銅年間(708〜714年)に導入されたという記録があります。
日本の葉ねぎ(青葱)の代表的な品種です。
かつては主に京都市南区の九条辺りで栽培されていました。
緑の部分にはカロチンやビタミンBを多く含んでいます。
細い物は薬味、太い物は鍋物によく使われます。
今も関西では、葱の主流です。

京ぜり

承和5年(838年)の『続日本後記』にすでに、せりの栽培について記されています。
水田で湧水を利用して生産されています。
保管しておいた前作株を、秋に水田にばら播いて育成します。
秋から春にかけて収穫します。

くわい

秀吉の築いた御土居のために出来た東寺付近の湿地で、栽培されたのが始まりです。
京都のおせち料理には欠かせない野菜です。
昔は染料の藍の裏作として、たくさん作られていましたが、人造藍の出現や、農地の減少によって、市内ではほとんど作られなくなりました。
現在では、京都府最南端の南山城村で、細々と栽培が続けられています。

京たけのこ

起源は定かではありませんが、中国から禅僧によってもたらされたと言われています。
軟らかく、甘味があります。
施肥、土入れ、親竹の間伐などはすべて手作業で行われています。
洛西地方での生産が盛んです。

じゅんさい

古い沼地に自生していたじゅんさいの若葉を摘んで食用としていました。
伏見、洛北、山科でかつて栽培されたという記録があります。
現在では採取されていません。

現存していないもの

郡だいこん

西京極郡町の原産です。
慶長年間(1596〜1615年)以来、明治まで毎年御所に献上していました。
直径2cmくらいで、根の長さは25cmほどです。
地中部は純白で、曲がりくねっています。
他のだいこんにない風味を持ち、切断面が菊の御紋章に似ていることから、吸い物の具に珍重されました。
昭和17年ごろ絶滅しました。 

東寺かぶ

慶長年間(1596〜1615年)に大津で栽培されていました。
近江かぶの系統とされています。
根部は扁平で尻がくぼみ、地上部は緑を帯びており、肉質は緻密です。
かつては東寺付近で栽培されていました。
近江かぶ同様、千枚漬けにされていましたが、聖護院カブが普及してからは衰退していき、昭和50年代に絶滅しました。

聖護院きゅうり

天保年間(1830〜43年)よりも以前から栽培されていました。
きゅうりから育成されたと云われています。
主に聖護院地区で栽培されていました。
濃緑色で、断面がやや三角形をしています。
明治中期には、形状の良い物に選抜され、左京区を中心に多く栽培されていました。

伝統野菜に準ずる野菜

とうがらし

万願寺とうがらし、鷹ヶ峰とうがらし

つけ菜

花菜

 

ブランド京野菜の特徴と種類

「ブランド京野菜」は「京の伝統野菜」とは選定方法が違い、身近な「京野菜」を取り入れたことに特徴があります。
京都府の外郭団体「京のふるさと産品協会」が認証し、京のブランド産品マーク「京マーク」が貼付けされて流通しています。

ブランド京野菜全21品目

みず菜、壬生菜、九条ねぎ、京たけのこ、伏見とうがらし、賀茂なす、京山科なす、万願寺とうがらし、鹿ケ谷かぼちゃ、えびいも、聖護院だいこん、堀川ごぼう、くわい、花菜、 紫ずきん、金時にんじん、やまのいも、京たんご梨、丹波くり、小豆(京都大納言小豆)、黒大豆(新丹波黒大豆)

「京の伝統野菜」に含まれていないもの

紫ずきん(黒大豆枝豆)

丹波黒大豆から生まれた枝豆です。
粒が大きく、コクのある甘味があります。
豆の薄皮が薄紫色で、頭巾のような形をしているため、「紫ずきん」と名づけられました。
たんぱく質、ビタミンCやカルシウムが豊富に含まれています。

金時にんじん

京にんじんとも呼ばれます。
古くから、京料理に欠かせない彩りとして用いられてきました。
京都の金時にんじんは、軟らかく、芯まで真っ赤です。
リコピンを多く含み、特にガンを予防する効果が高いと評されています。
厚めに種をまいて間引き、その間引き菜もにんじん葉として流通しています。

やまのいも

つくねいもとも呼ばれます。
古くから京都府の北部、宮津市の栗田地域で栽培されてきました。
水はけが良く、かつ常時適度の湿りがある土地で育てられます。
肉質が締まっており、水分が少ないのが特徴です。
宮津のやまのいもは、粘りが非常に強いことで知られています。
とろろ汁や山かけ丼などによく使われてきました。
京都では、饅頭などお菓子の材料としても重宝されてきた食材です。

京たんご梨

丹後半島で栽培されている「ゴールド二十世紀」という品種の青梨です。

丹波くり

福知山市や綾部市で栽培されている大粒のくりです。
ビタミンBに富みます。

小豆(京都大納言小豆)

粒が大きく、色つやがよく、独特の香りがあります。
煮くずれしにくいので、つぶあんの素材に適しています。
高級京菓子などに重宝されています。

黒大豆(新丹波黒大豆)

大粒でしわがなく、煮炊きしても型崩れしません。 カルシウム、ビタミンBを多く含んでいます。

 

季節と京野菜

春・夏の京野菜

伏見とうがらし
上賀茂の賀茂なす
山科なす
柊野ささげ
桂うり
鹿ケ谷かぼちゃ
万願寺とうがらし
花菜

秋・冬の京野菜

九条ねぎ
聖護院大根
聖護院かぶら
金時にんじん
堀川ごぼう
えびいも
九条ねぎ
壬生菜
みず菜
畑菜
人参葉
紫ずきん(黒大豆枝豆)
丹波山の芋

 

京野菜と京の風土

京野菜は市場に出回っている一般の野菜と比較して、ビタミン・ミネラル・植物繊維など栄養成分が豊富に含まれています。
それには京都の風土が大きくかかわっています。

京都には比叡山の水、加茂川の水など水源が豊富で、おいしい水にも恵まれています。

京都の土は腐植質が含まれており、農耕に適しています。

強い季節風が吹かないため、生産物が倒される心配がありません。

気候

底冷えするような寒さの冬と、盆地特有の暑い夏という対照的な気候が作物の味をよくしてくれます。

 

京野菜を作る人々の知恵

京都はもともと栽培規模が小さく、収穫量が少ない土地でしたが、栽培方法に工夫を重ねることで、安定した生産量が確保できるようになりました。

みず菜を例にとって、その工夫を見て見ましょう。
一時期みず菜は「周年栽培」が行われていました。
これは、1年の間に同じ畑で同じ作物を複数回作るという栽培方法です。
一度に栽培できる量が限られていた狭い農地において、この方法は画期的なものでした。
しかし、この栽培を繰り返すうちに、みず菜を好む害虫が繁殖するようになりました。
そこで、農家はみず菜を収穫した後に九条ねぎを植えるという栽培方法を導入しました。
これによって、みず菜を食糧としていた害虫は、九条ねぎを食べないので餓死します。
さらに、みず菜だけを作り続けていると土の養分が偏ってしまいますが、その問題も同時に解決することができました。
なぜなら、みず菜と九条ねぎは成長する過程で吸収する養分が異なるからです。

このように縁の遠い野菜を組み合せるという意外な栽培方法によって、品質の良いものを安全に量産することが可能となったのです。
野菜本来が持つ性質だけでなく、害虫の特性をも分析して、栽培する野菜の種類を組み合せる方法は、限られた農地しかない京都で独自の発達をとげた技術です。
農薬や化学肥料に頼らずに品質の良い野菜を作り続けようという信念に支えられて、京農家の人々は独特の生産方法を生み出し、継続的な野菜作りを可能にしたのです。

 
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