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日本、いにしえ
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竹工芸

日本には600種余りの竹があります。
昔から、竹はさまざまな形で私たちの生活の中で使われてきました。
手に入りやすく、削る・曲げるといた加工がしやすいため、材料として重宝されてきました。
中が空洞で、節があるという特徴的な形もまた、竹がいろいろな形で利用されてきた理由のひとつです。
同質で同じ長さの棒状のものを量産しやすく、薄く削ると適度な弾力を得られます。
そのため、細工や工芸の材料によく使われてきたのです。
ここでは、私たちの文化と深く関わってきた竹の工芸品の数々を見てみることにします。

京銘竹

京銘竹とは、京都府伝統的工芸品指定要網の規定により京都府伝統工芸品に指定された伝統的な工芸品です。
その伝統工芸品には、白竹(晒竹)、胡麻竹(錆竹)、図面角竹、亀甲竹があります。

白竹

建築用、茶華道具、美術工芸品に欠かせない銘竹です。
炭火やガスなどの火力であぶり、油抜き(竹をじっくり温め内部から水分と老廃物を取り出す)を行い、天日で乾燥させます。
この作業を「晒し」と呼び、晒すことにより光沢や靭性が増します。
また、生産性を向上させるために、湯抜き(熱湯を用いて行う油抜き)という方法がとられることもあります。

胡麻竹

建築用、扇子立て、花器等、親しみやすい工芸品に用いられます。
竹に梯子をかけ、鋸で竹の先端や枝を全て切断して、立ち枯れさせます。そのまま暫く放置すると、竹の表面にカビが寄生して黒い小さい斑点が出てきます。
この黒い斑点が胡麻を撒いたように見えるため、胡麻竹と言います。

図面角竹

飾り柱、花器、椅子、床机など風情ある家具に用いられます。
地表に2cm〜40cmぐらい出た筍の四方を板枠で囲い、筍の成長に合わせ板枠も伸ばしていきます。
竹が伸びきったところで板枠をはずし、竹の表面が柔らかいうちに図面付け作業を行います。
図面付け作業に用いられる薬剤は、希硫酸に粘土を混ぜたものを使用します。

亀甲竹

高級な趣味性を追求する建築装飾、工芸品に用いられます。
孟宗竹の芽子が突然変異を起こしたものです。
稈(かん・中空の茎)の部分がジグザグしていてまるで亀の甲羅のように見えることから亀甲竹と名付けられましたが、仏様の顔にも似ていることから仏面竹とも言われています。

 

竹材の製作工程

伐採は冬場に行います。
伐採したばかりの水分の多い竹は約5mに裁断し、約60日間倉庫で陰干しします。
その後、反った竹のくせ直しをします。
くせ直しをした青竹の表面を水洗いし、汚れを落とします。
白竹にする場合、炭火やプロパンガスであぶり、しばらくして竹の表面に油がにじみ出てくると、乾いた布でぬぐいとります。
その後、太陽のもとに約10日間天日干します。
晒竹にする場合、お湯とカセイソーダで油抜きをし、くせ直しをしてから晒します。

白竹

伐採(冬場)→切断→陰干し→くせ直し→水洗い→あぶり→油のぬぐいとり→日にさらす

 

竹の性質

堅牢性、強靭性

竹は破損しにくく、ひび割れも起こりにくい性格をもっています。

低伸縮性

吸水膨張率及び加熱乾燥収縮率が非常に小さいです。
そのため、古来より物差しや計算尺に使用されてきました。
精度が必要な建材として最適です。

弾力性、柔軟性

木材に比べて弾力性、柔軟性に優れています。

抗菌性、脱臭性

抗菌性があり、鮮度を保つ能力に優れています。
そのため、昔から竹の水筒が使われたり、筍の皮でおにぎりを包んだりすることに使われてきました。
また多孔質の構造から臭いを吸収するという性質を持ち、乾留処理された竹は脱臭効果がより高くなります。

熱伝導性

熱伝導性に優れ、床暖房の表面材に竹を用いると最適です。
熱による伸縮及び反りが非常に少ないのも竹の優れた性質です。

 

暮らしと竹工芸

京都は竹の産地として風土条件に恵まれていることから竹の都としても知られており、茶道具や花器など洗練された竹工芸の技術が伝承されています。
近年、生活にゆとりや潤いを求める傾向に伴い竹製品への関心が高まり、茶道・華道の道具類はもちろん、食器や家具調度品、照明器具などの分野にも活用されています。

1.茶道と竹

日本で身近に生えている竹は、昔から生活用具として使われており、茶道文化や華道文化にも大きな影響を与えました。
茶道具としては、花入れ、香合、水指、茶杓、箸置き、茶筅(ちゃせん)、柄杓などがあります。

「茶道の歴史」

中国から留学僧によって伝えられた初期の頃のお茶は、薬として飲まれていました。
室町時代中期に村田珠光という人が礼法・作法を備えた茶湯の道を確立させ、民衆に茶の湯を広め精神性を求めました。
そして、禅とのふれあいの中で「茶禅一味」の精神が生まれました。
さらに、千利休が「わび」と言う美の境地を切り開き、「和敬清寂」の理念を確立しました。
「和敬」とは人間同士はもちろん、自然界すべてのものに対する思いやりと尊敬を意味し、「清寂」とは心の静けさつまり清らかな心、澄み切った心のことです。

2.華道と竹

華道文化の中でも、竹は使われてきました。
華道具としては、花をさしておく尺八切、吊船、置き舟、蝉籠などが竹で作られました。

「華道の歴史」

「いけばな」は仏前供養の花から発展しました。
室町時代(14世紀〜16世紀)になると能や茶の湯などの文化が盛んになり、「書院造」と呼ばれる建築様式が生まれました。
書院造りの一要素である「床の間」で、古い形式の花が飾られるようになりました。
その後、茶の湯の隆盛に伴い花を抛入れる(なげいれる)手法が確立され、現代に発展してきました。

3.日本庭園と竹

庭園の中でも竹はさまざまに利用されてきました。
垣根、縁台の材料として、またししおどしの一部として使われ、庭園には欠かせない存在でした。

「日本庭園の歴史」

山肌などに露出している岩や石を神格化して崇拝し、それらを円形や楕円形に配置し、海に例えて池を作り、池の中に島を作り、神を奉ることから始まりました。
そうすることで庭に宗教観や哲学観を表現しました。

 

竹工芸の制作工程

簾(すだれ)

1.原竹
  2.竹切り
  3.外皮取り
  4.大割り
  5.中割り
  6.小割り
  7.すがづくり(4,5本ずつ糸でくくる)
  8.先付け(小刃で先を細く削る)
  9.ひご板通し(金属板にあけた穴に竹を通して削りひごをつくる)
  10.編み
  11.仕上げ(縁・小道具付け)

籠編み

1.原竹
  2.大割り
  3.中割り
  4.小割り
  5.へぎ(竹の皮と身を分ける)
  6.巾決め
  7.厚みそろえ
  8.面取り
  9.編組(底から編みあげていく)
  10.縁かがり
  11.仕上げ(着色・手付けなど)

 

建築材料として

竹は、建築材料としても様々に利用されてきました。
和室造作材としては、床柱、落とし掛、棹縁、腰板などに使われてきました。
造庭材としては、光悦竹掛、竹塀、ししおどしなどに使われてきました。
竹には節がありその間隔は一定ではありません。その節をいかに綺麗に揃えるかということは、建築材料として重要なことでした。
京都に住む裕福な人たちは、装飾によってきらびやかに家を飾るのではなく、良い竹を使って、しかも節が不揃いにならないようにすることにお金をかけました。
わび・さびの精神でもって作られた空間は、人々の心を惹きつけ、満たしてきたに違いありません。

駒寄せ

駒寄せは、本来は外壁を泥やはねによる汚れから守るために設けられたものです。
美しい町並みと調和し、風情と潤いを与えてくれます。

 
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